長さ　約73.4㌢ 重さ　約61.7㌘ バランス点　フェルールから18センチあたり 巻線が摩耗してきていたため交換済 先々週毛替えから却ってきました いわゆる剛弓ではなく、よりしなやかで繊細なタッチを持つ柔らかな弾き心地をお探しの方にぴったりです。 もっちりしたテクスチャーを持ちながら コシというかちょうど欲しいくらいの引っ掛かりがあり反応も素晴らしいので 跳ね弓でしたり弦へのコンタクトに安定感があり、操作性に富みます。 バランス良し、反りも理想的です。 特筆すべきはコンパクトな弾き心地で バランスが気持ち手元寄りにあること、密度が詰まりすぎていない材料であることも寄与し手にしたときズシッとではなくよりフワッとした感触あり、 若干短めで細すぎない弓身のため小回りの利く操作感があります。 近場まで出かけるのであればミニバンでなくコンパクトカーを選びたい感覚に近いかもしれません。 また野球でしたら短めのバットのほうがボールに当てやすく、長いバットはなかなか誰もが使いこなせるものではないといった話もあります。 これらの例えは適切でないかもしれませんが、とにかくさっと手にしてちょっと楽器を鳴らしてみたいときなどにまず手が伸びる、そんな弓です。 弓身は細いほどよいという話をされる方もおいでになり、確かに良い材料でないと細くできませんからもちろん当を得た論理ではありますが 場合によっては細すぎたり長すぎたりすると重みを感じすぎたり、コントロールしにくくなってしまったり、時には強度が足りなくなってしまっている弓もありますので このような観点からも、当弓は扱いやすく弾き手の要求に寄り添ってくれる繊細な弾き心地を持っていると考えます。 無銘オールドボウとして入手しましたが 綺麗に縞のでた材料で風格を感じる美しい佇まい、ヘッドの雰囲気やフロッグの造作、貝の入っていないボタンなど随所に 19世紀末から20世紀前半あたりのジャーマン、中でもフレッチナー家の趣を強く感じます。 出品しているバイオリン（オールド楽器でしたり、より柔らかい発音の傾向があると思われるフレンチなど）とも相性が良く できれば動画も撮ってみたいと思います。 逆に剛弓を必要とする新作楽器や強い（硬い？）音のモダンイタリアンなどとは相性は微妙です。