このレンズは1939〜1950年頃のVoigtlanderのヴィトーカメラ(写真2、3)のレンズを取り外し、SONY NEX-E用に製作したものです。レンズは有名なスコパーの4枚玉で、コンパクトなレンズ設計からコンパクトカメラに採用されてきました。1949年頃にコーティングされたカラースコパーに変わります。 最近ではコシナのカタログ(2003年写真5)にあるようにライカマウントやニコンscマウント用として発売されてきました。コンパクトなレンズ故、スナップショットスコパーと呼ばれ、切れ込みの良い描写に定評が有ります。 さて、出品のレンズは初期のスコパーです。絞りはf3.5〜16まで作動します。真円形の綺麗な絞り羽根です(写真6の赤印レバーで調節)。ピントは前玉回転して合わせます(約1m〜無限)で、無限が正確に合うように製作しています。なお、シャッター速度は本来可変作動できますが、バルブ位置にワイヤーで固定しています。セルフは作動しません。レンズはカビ、チリ、クモリ無く綺麗ですが、70年以上前のレンズですのでペンライトで見ると、ごく僅かなチリのようなものは見えます。 レンズ後端はM42→NEX-Eマウントになっています。取り外し可能です(写真9)。M42→Fuji Xマウントがあれば富士Xカメラに装着できますが、マウントにもよるため無限が正確に合うかどうかは分かりません。 手持ちのSONYα7IIに付け、カラーSTDとB&Wでf5.6、無補正で撮影した写真が最後にあります。レンズの描写の特徴を見るため、敢えて逆光で撮影しました。カラーは爽やかなパステル調で、同条件ですがモノクロでは力強い描写になります。なかなか個性的なレンズで、現行のコントラスト、シャープネスが一辺倒のレンズとの違いはお分かりただけると思います。 なお、カメラ側は、絞り優先オート、シャッターレリーズ許可にセットして撮影しています。 NC, NRでお願いします。 我が家の防湿庫には1000本ものレンズが眠っています。遺品整理となる前に処分しています。手放す理由はプロフをご覧下さい。